本日、検察審査会へ第二回意見書と資料を提出してきました。
出来ることはその都度実施する様にしています。
結果が出ましたらまたご報告します。
ところで、以下に加害者天国ニッポンの現状をご紹介しますので、関心の有る方は
是非一度ご一読下さい。
尚、本記事は*TAV*の会、協力弁護士のHPより抜粋したものです。
(記)
交通事故での死亡者や重度後遺症者数は増加しているのですか?
戦後被害者数は増加し、昭和45年には約100万人に迫り、ピークに達しましたが、昭和52年に
は60万人にまで減少しました。しかし、その後は増加し、平成11年には約106万人となっていま
す(2000年犯罪白書)。
交通死者は9006人と減少傾向ですが、24時間以内の死亡に限定しているためで、30日以内の
死亡者数に拡大すれば、1万372人であり、重度の後遺症被害者数が倍増しているので、死亡事
故や重度傷害事故は、実質的には増加し続けています。
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昭和45年の99万人台の被害者数が60万人にまで激減した理由は何ですか?
昭和43年に業務上過失致死罪の法定刑の上限が、懲役3年から5年に引き上げられたことによる
犯罪抑止効果であり、ドライバーの運転が慎重になったと考えられます。
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加害者への処罰傾向の変遷はどうでしょうか?
昭和61年以降急激な変化があり、処罰がされなくなってます。
昭和43年、法定刑の引き上げの厳罰化による被害者数減少は4割となり、成功しました。ところ
がその後、刑の運用面で著しい緩刑化政策がとられ、急激な起訴率低下を招き、昭和61年には
73%だった起訴率は平成11年には12%とまで低下しています。東京地検管内では平成11年に
8%台にまでなり、非犯罪化現象とまで呼ばれています。
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検察の非犯罪化政策の目的は?
検察庁の「非犯罪化」政策は、昭和61年から開始されたのですが、累積されていく業務上過失致
死事件の処理に悩む副検事の事務効率化のために開始されたものです。ただ正当化のために法務
省は犯罪白書でいくつかの理由を説明しています。
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被害者数が増加しているのに検察庁はなぜ非犯罪化政策をとるのですか?
起訴率緩和政策によって被害者数は大幅に増加しています。非犯罪化政策は検察事務の効率化の
ため考え出されたものであり、人の命や身体の犠牲によって成り立つ不当な政策です。法務省は
これを正当化する理由を後日展開しています。
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法務省のいう業務上過失致死傷罪の非犯罪化の理由とは何ですか?
犯罪白書(平成5年・11年)の内容です。
@ 国民皆免許時代、車社会の今日、軽微な事件について国民の多数が刑事罰の対象となるよう
な事態となることは、刑罰の在り方として適当でない
A 保険制度が普及し、治療費や修繕費に対する保険による補償が充実してきたことに伴い、加
害者が起訴されなくても、被害者が納得することが多い
B 交通事故の防止は刑罰にのみ頼るのではなく、行政上の規制、制裁をはじめ各種の総合的な
対策を講ずることによって達成されるべきものである
C この種事件を起訴するとはいっても、従来からその多くは略式手続きによって処理され、少
額の罰金が科されていたわけであるが、このように少額の罰金を科するのは、罰金の刑罰として
の感銘力を低下させ、刑事司法全体を軽視する風潮を醸することとなる。
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法務省の言う非犯罪化の理由は正当なのですか?
@番目の「軽微な事件」とするのは問題で、飲酒運転していても、重大結果が生じなければ刑法
上は処罰されないというのでは、酔っ払い運転を奨励するのであり、傷害結果が3週間以内であ
れば、軽微な事件として扱うというのは、常識とかけ離れていますし、A番目の保険制度普及で
被害填補が可能となり,処罰なくとも被害者は納得するというのは「保険金の支払いで我慢しな
さい」と奨励するもので、法務省の理屈を借りれば、「生命保険加入者がかなり増えているか
ら」との理由で、殺人罪の適用すら緩和されることになり不当です。
B番目の理由の交通事故防止は刑罰のみに頼るのではなく他の対策を講じるべきというものです
が、行政処分等は1日講習の形式だけで,刑罰に代替するものはないことを忘れていますし、C
番目の理由は起訴しても、少額の罰金で済んでおり、罰金の刑罰としての感銘力を低下させると
いうものです。罰金の上限自体は50万円と低すぎます。「罰金が少額だから、これを科しても刑
の感銘力にならない」というのは子供騙しです。フランスの法律では罰金は日本の17倍です。低
すぎる罰金をもって刑の感銘力にならないというのは不当です。
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業務上過失致死傷罪を非犯罪化することに弊害はないのでしょうか?
緩刑化政策は,ドライバーのモラルの低下や警察の捜査の士気低下や検察の士気低下などの弊害
を生んでいます。ドライバーのモラル低下とは緩刑化によって交通事故犯罪は厳罰を受けないの
で、ドライバーの順法意識が失われていることです。
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非犯罪化による捜査の士気の低下はありますか?
緩刑化策が捜査現場に与える影響は深刻です。警察は全件送致主義を前提に捜査を行ないます
が、一生懸命に捜査しても1割しか起訴されないのですから、達成感がありません。死亡事故で
もきちんと捜査するとは思われない雰囲気があります。士気が失われているのです。目撃者もろ
くに探さず、目撃者がいても加害者の供述どおりに調書を作成して事故を処理し、遺族を邪魔者
扱いをすることすらあります。
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捜査の士気がないという根拠はありますか?
警察の捜査の士気では根拠があります。
@ 警察官へのアンケート(日経新聞 平成11年6月26日朝刊)
平成11年に警察庁が行なった交通警察官のアンケート調査報告があります。
「ストレスがたまりやすい」(93%)
「仕事に対する評価は他に比べて低い」(86%)
「どんなに丹念に捜査しても、大半は起訴されない現場警察官の本音がある」と結んでいます。
A 警察の士気喪失の裏付けデータ(平成12年版交通安全白書)
ひき逃げ犯の検挙率は昭和63年は90%以上でしたが、平成11年には65%にまで低下し
ていますからやる気が失われているのです。
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検察の士気はどうですか?
検察の士気の低下の根拠です。
@ 死亡事故の起訴猶予率は61年後9年間で10倍になってます。 士気は喪失しています。加害
者が起訴されない事件は10倍に増えています。
起訴率緩和策は死亡事件でも大幅な緩刑化を招き、本来は軽微な傷害事件を起訴しないもので
したが、検察の現場では、死亡事故も起訴しないという風潮が急激に広まったのです。検察の士
気も低下しています。
A 現職検事、OB検事らの現場の声があります。
産経新聞特集部による「検察の疲労」で検察内部の感想が述べられています。
「業務上過失事件については、捜査から撤退したとはいえ、警察から送致されれば、捜査しなけ
ればならないのに、実際はほとんど捜査を行わないで不起訴処分にしてきた傾向が強い。不起訴
処分のうち30%は真剣に捜査をすれば、起訴できる事案である。」と。
不起訴事件のうち、30%の事件は起訴できる事件です。
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交通事件の非犯罪化政策とは何ですか?
起訴緩和策もそうですが、公判とすべき事件を公判とせず罰金にしたり、公判とすべき悪質な事
件を不起訴とすることです。片山隼君の事件など一旦不起訴となりましたが、不服申し立ての結
果、起訴され公判となりました。遺族が調査したり署名を集め、検察庁に不服を申し立て検察庁
が起訴しました。検察は求刑2年にする重大事件を不起訴にしていたのです。
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非犯罪化政策の弊害は被害者遺族に対してもありますか?
88%の業務上過失致死傷事件が不起訴としている政策は警察の現場の士気を低下させ、加害者
の供述とおりにしてしまう傾向にさせていますが、不起訴事件は捜査情報非公開が原則ですか
ら、不起訴事件の被害者にとっては真実を隠す強力な厚い壁となっています。9割の不起訴事件
は、不起訴処分後の情報公開禁止により、加害者や目撃者の供述調書は永久に被害者の目に触れ
ることがないのです。取り調べを被害者側で検証する機会は与えられないのです。取り調べに不
正があっても永久に分からないのです。不当です。検察はこの不正義を認め、被害者の声を封じ
ています。被害者から検証の手段を奪い、捜査内容を隠蔽しています。また不起訴となった事件
の民事裁判では、捜査記録が入手できないので徹底的な加害者尋問や目撃者尋問が必要です。立
証責任が被害者にあるからです。しかし裁判が始まっても、事故から年数が経過しており、目撃
者等に尋問しても記憶自体がありません。刑事記録が公開されないので、加害者側の言分の検証
もできず、加害者の言い分を黙って聞いていなければなりません。被害者に深刻な2次被害、3
次被害を与え続けているのです。
昭和61年に27%だった不起訴事件が、平成11年には90%を占めるまでにいたるなかで、捜査
情報非公開システムは、検察の事務処理を効率化し、加害者天国を作りあげたうえで、ますます
被害者の声を封印しているのです。
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業務上過失致死傷罪の実刑率はどうなっているのでしょうか?
平成11年の検察庁の受理人員68万人に対し、実刑者は654人で、実刑の割合は0.1%です。警
察が検挙した事件は、全件送致主義により検察庁で受理されます。うち起訴されるのは12%で
す。検挙件数で裁判となるのは、全体の0.75%です(他は略式による罰金)。実刑は全体の
0,096%です。人身事故を起こしても1,000人に1人の割合での実刑です。外国との比較ではフ
ランスの10分の1です。「加害者天国ニッポン」です。刑が軽いと被害者遺族は癒されるはずが
ありません。
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刑の実情はどうなってますか?
業務上過失致死傷罪の法定刑は「5年以上の懲役、禁固または50万円以下の罰金」、実刑でも2
年位で、3年以上はまずありません。通常第1審の有罪人員全体数に占める2年以上の実刑率は
業過で2%です。 軽すぎます。
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求刑等の刑の運用はどうなっていますか?
赤信号を無視するなど、飲酒運転で死亡事故を起こしても、実際の裁判の現場では懲役1年くら
いです。速度違反等があっても求刑は3年が上限です。判決は下回り、2年位が上限です。東名
高速道で、酒酔い追突事故で幼児2名が焼死した業務上過失致死の刑事裁判でトラック運転手に
4年の実刑判決が出た事例がありましたが、犯行の悪質性から見た時、4年で済む事件ではあり
ません。日本の交通事故の刑が軽すぎる事を示す事件です。
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業務上過失致死罪の刑を傷害致死罪と比較したらどうですか?
通常第1審の刑事公判事件の実刑数について傷害致死罪とを業務上過失致死罪と比較すると2
年以上の実刑は、傷害致死罪では多数あるのに、業務上過失致死ではほとんどありません。 業
務上過失致傷罪と過失致傷罪との比較でも過失致傷罪の方が刑は重いのです。交通犯罪を軽く扱
っている風潮です。
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外国との刑の比較はどうですか?
フランスと比較すると、罰金刑が、自由刑と併合されるか、選択によるかという点で、フランス
では自由刑との併合であり、自由刑もあり、かつ罰金刑も科せられます。罰金のみは日本だけで
す。実刑率では日本の10倍になっており日本とはまったく違います。 罰金で日本と大きく違う
点は、最高額が50万フラン、約900万円と高額なことです。
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交通捜査手続きの流れはどうなっているのでしょうか?
@ 実況見分調書の作成作業(目撃者を探す手間を警察は省いている)加害者への聴取作業(加
害者の供述に沿う調書作り)
A 捜査報告書の作成作業(警察は加害者の供述通りする場合が多い。)
B 被害の特定作業 病院からの診断書の取り寄せ(早期の提出や「見込み」の要請すらする)
C 被害者や遺族の心情捜査 (遺族は抽象的感想を述べるしかない)
D 目撃者の警察調書、加害者の警察調書、 警察の捜査報告書の作成
E 在宅送検 警察は捜査を終了した段階で検察へ送検する。在宅のままの書類送検で真摯な供
述が得にくい。またすべての交通事故を検察へ送致するという全件送致主義が法律の建前のはず
ですが、最近の警察はこれを送検していない場合もある。
F 検察の捜査 捜査は副検事が担当し、正検事は捜査を行いません。「検察は交通事件では
捜査から撤退した」といわれる理由です。 副検事は捜査の現場に臨むことはないのが実情で
す。このため捜査は現場に行かず、遺族に会いたがらず、書類の点検作業のみです。約9割を不
起訴とするのが仕事です。被害者や遺族に会いたがりません。副検事に面会した感想で「怒られ
た」あるいは「示談はまだか」「前を向いて歩きなさい」「加害者もかわいそうだ」といったも
のがあります。被害者の声を聞こうとはしない体質が沁みこんでいます。
G 副検事による起訴不起訴の処分決定 副検事は起訴不起訴の決定をします。不起訴原則主義
ですから不起訴を選択しても不当な仕事とは評価されることはありません。起訴でも罰金が多い
のです。検察に送検された事件のうち、起訴されるのはわずかに12%です。不起訴とはいわば無
罪扱いです。
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飲酒運転等道路交通法の罰則強化とは何ですか?
改正のきっかけは東名高速での二女児焼死交通死亡事件等の被害者遺族による16万人以上にわた
る署名活動の結果です。平成13年度の国会で成立する予定。改正内容は飲酒運転に関しては、
「2年以下の懲役または10万円以下の罰金」とあるのが「3年以下の懲役または50万円以下の
罰金」と改正されます。刑の軽さについて遺族は言いようのないショックを受け、国による2次
被害の現実があったのですが、国が腰をあげ、罰則を厳しくすることとなりました。 今回の罰
則強化は、被害者の声に国が気づき始めたという点で画期的ですが、検察の起訴率緩和策を放置
したままで道交法の罰則強化のみ行われても、きわめて不十分です。
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軽傷事故の非犯罪化法案とは?
軽傷事故を非犯罪化とする法案を法務省が検討中です。軽傷事故の非犯罪化法案は交通死被害者
から見れば朝令暮改です。 昭和43年前後は悪質な交通事故を厳しく取り締まる厳罰化の時代が
あり、酔っ払い運転などを交通3悪として事故を防いでいました。被害者数は厳罰化効果で4割
も激減しました。この法案はかつて厳罰化、今、緩刑化法案で朝礼暮改の象徴です。 警察は
「傷害の診断書の期間」を指示するなど、「早く提出」とか、「見込みでよい」、「2〜3週間
で書くことが望ましい」と指示する医療現場への介入があります。医療への介入は被害者の声を
無視しています。「軽傷事故の非犯罪化法案」は検察や警察のやりたくない雰囲気を助長するだ
けです。 被害者が捜査から排除されているシステムの下では被害者の声は無視されるのです。
以上
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