会が発足して4年目の1999年10月に、当会の会員、家族の手記「生きててもええやん」(せせらぎ出版;税込み1500円)を発刊しました。発刊の経緯は、こういった当事者の類書は皆無に近かったことが第一の理由です。
 第二の理由としては、ある日突然の事故や病気により障害を負った障害者本人やその家族に、こういった当事者の会があることを伝えたかったことです。突然のことでその当事者の多くの人は「真っ暗なトンネル」にいきなり放り出されます。そのときにこういった本があれば、困難な当事者の孤立化が防げると考えたからです。
 第三の理由としては、私たちのような会の活動は、残念ながら未だ少数派です。このような活動を是非多くの市民の方に知って戴きたいと考えたことです。
 交通事故は今やニュースにさえなりません。医療過誤は巨大な医療機関との闘いが前提となるため、明るみに出るのはまだまだ氷山の一角に過ぎません。通り魔的に起こっている犯罪被害者に対しては、「気の毒」の一言ですまされてしまいます。
 脳の病気に至っては、日々の健康管理が悪いとか、先天的な面があったとか言われたりします。私たちは脳疾患の原因の多くは本来非常に社会的な問題であると考えています。というのも、これだけ「過労死」、「ストレス」、「リストラ」などが当たり前の言葉として流布されている中、脳疾患に陥ってしまうことは当然のことであるのに、まだまだ不十分な理解しか得られていないのが実態であると思っています。

 また「生きててもええやん」は、朝日新聞や毎日新聞でも大きく報道されましたし、多くの医療関係、福祉関係の雑誌にも紹介されました。この種の本としては異例の売れ行きで3刷を重ねました。この本を読んで入会された多くの方は、「こんな状態になっているのは、自分たちだけではなかったのだ」という感想を持たれています。障害者とその家族だけではなく、広く多くの方々に是非読んで戴きたいと思っております。


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